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2005年05月29日
映画「ミリオンダラー・ベイビー」
フランキーの『あの行動』を、肯定する事は出来ないのだけれど、かと言って、自分ならどうする？という質問にも答えられそうにない。
本当に、重厚かつ深淵な映画。
アカデミーに絡んでなかったら、敬遠したかも知れないと思うほど。
でも、こういう作品に出逢う時の感動があるから、映画ファンはやめられないとも言える。
後半は、泣けて仕方がなかった。
【 goo 映画の紹介文 】
ミリオンダラー・ベイビー - goo 映画
「自分を守れ」が信条の老トレーナー、フランキーは、23年来の付き合いとなる雑用係のスクラップと、昔ながらのジム、ヒット・ピットでボクサーを育成している。
有望株のウィリーは、教え子を大事に思う余りタイトル戦を先延ばしにするフランキーにしびれを切らし、別のマネージャーの下へと去ってゆく。
そんな折、フランキーの前に現れた女性ボクサー、マギー。マギーはフランキーの指導を乞うが、昔気質のフランキーは女のボクサーを認めようとしない。
だが連日ジムに通い詰めるマギーの一本気さに、やがてフランキーの心も揺り動かされ始めるのだった。
【以下、多少ネタばれ あり】
話題作だから、事前に情報を入れない様にしたくても、無理だった。
劇場で観た予告編は、「勝つ」シーン中心っぽかったのに、今のＴＶ版ＣＭでは、ちょっとネタばれしてるし。
但し、「その先」が重要なので、あのＣＭを否定しようとは思わないけれど。（個人的には、３月頃の劇場版予告編の方が好みでは、あるが。）
実際、ヤワな神経の私としては、あのタイトルマッチの後、幾つかのシーンがあって終わり、でも良かったんだけど。
でも、この映画は、これでもか、と「その先」を見せる。
親も呼ぶし、足も…。
そして彼女の懇願と、彼の行動。
ほんと、これでもかと言わんばかりの辛い展開。
結局、「親に見放された娘」と、「娘に断絶された父親」の、疑似親子愛がテーマだったのかなぁ…。
実の親子よりも強い絆と信頼。
私が泣けた、一番の理由は、そこなんだけど。
あとは、生きるという事の尊厳の問題も。
これは、最初の方の、「ボクシング」を説明するナレーションでも触れられてた。
そうそう、このナレーション、（たぶん）モーガン・フリーマンで、今回は、狂言回し役っぽい。
「助演」というには、凄い存在感だった。
にしても、「あの時」何故病院に居たの？（というか、どこに隠れてたの？）
あと、グローブ無しの右手での、110戦目も印象的。「仕事を変えな！」って。
彼は、全部お見通しだったんだよね。（勿論、「彼の行動も」。…、じゃなきゃ、病院に居ないはずだし。）
こんな素晴らしい映画だけに、私として惜しいと思ったのは、フランキーの過去（？）。
娘に無視され続ける理由が、もうちょっと知りたかった。（彼女の母親のダメさは、結構描かれてたのに、フランキーの実の娘の話は、ちょっと微妙だった。）
それにしても、「ミスティック・リバー」と今回と、イーストウッドの映画は、非常に重たいテーマの作品が続いたが、この先も、この傾向でいくのだろうか…？
だとしたら、それはそれで凄い事だとは思うが、観る方にも、それなりの覚悟が要るかも知れない。
【 関連記事（2005/06/05追記）】
投稿者 savabigi : 2005年05月29日 01:58 | [ 映画・テレビ ]
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コメント
T/Bさせて頂きました。
私も、“疑似親子愛”同感です。絶縁された娘をもちながら「たった一つでも娘の願いを叶えてやりたかった」父親と、一番の理解者の父を失い、家族に恥さらしとののしられても「たった一つでも自分のわがままを聞いてほしかった」娘の姿に思えてしまって。
そんな他人同士の二人の思いを遂げる唯一の方法がそれしかなかったことが胸が痛かったですね。
「モ・シュクラ」、ああそんな意味だったなんて・・・。
投稿者 Carolita : 2005年05月29日 15:19
Carolita さん、はじめまして。
コメント並びにトラックバックありがとうございます。
Carolita_san> 他人同士の二人の思いを遂げる唯一の方法がそれしかなかったことが…
ほんと、辛い結末でしたね。
ただ、「それしかなかった」という事は、納得はできるんですけど、肯定はしたくない、っていう、複雑な感想を持ってしまいました。
「モ・シュクラ」の意味がわかった時も、さらに涙が溢れてきましたよ。
投稿者 ココの管理人 : 2005年05月30日 17:46